家庭における夫の「肩身の狭さ」の正体とは
「牛乳石鹸」の炎上CMは何を提示したのか
正体3.愛されないパパ
家族の役割として仕事に傾倒していくのには、まだ理由がある。それが「パパはママより愛されない」。例えば、妻から「寝かしつけもできないのか、と言われた」という声は多く上がった。たしかに、多くの旦那は寝かしつけができない。なぜか。嫌がられるからだ。2歳くらいになると子どもはその理由をはっきりと示してくれるようになる。「ママと寝たい」「ママじゃなきゃ嫌だ」。同じことは「泣いている子どもあやしているとき」や「一緒に遊んでいるとき」などによく起きる。正直、こうなると特に新米パパは混乱する。どうすればいいのか……。抱っこをしてみたり、歌を歌ってみたり。
「妻を本当にリスペクトしたときがあって」と30代前半で1歳になる男児がいる旦那が言った。「寝る前、30分近くずっと泣いていた子どもが、妻が帰ってきて抱っこをした瞬間にころりと寝たんです」。
パパでも寝てくれ!!
正体4.愛されない旦那
子どもが産まれてから妻が変わった、とはよく言われることだ。実際、旦那はこれをひしひしと感じている。ママにとっては自然なのかもしれないが、旦那は急な変化に戸惑う。口に出さないだけで、これはほとんどの旦那が思っていることだ。手をつなごうとしたら払いのけられ「やめて!」と言われた旦那(2児・38歳)がいた。
「もう数年前のことですけどね。別に付き合っていたときのようにしてほしい、とは思わない。子育ては大変だし、それに見合う働きができていないこともわかっているから。ただ、払いのけられて、やめて!は……きつかった」
もちろん、こうした状況は一気に作られたものではないだろう。旦那への不満をはじめ、長い時間を共に過ごし、その蓄積が一つの言動としてあらわれたに過ぎない。だからこそ、牛乳石鹸のCMのように、または明らかに妻への配慮が欠けた行動がメディアやSNSで取り上げられると、多くの旦那は「よしてくれ。そんなつもりはない。俺は違う……」と感じるのだ。
ここまで書いてきたのは、あまり知られることのない「旦那の本音」、その一部である。書いていても思う。言い訳にしか聞こえないな、と。
ただ、お互いつらい、肩身が狭い、と思い合っている状態だけは、何とか変えていきたい。そして、もっとも多かった「旦那の本音」を最後に付け加えて本稿を閉じたいと思う。
「何があっても、妻には本当に感謝している」